薄桜鬼の小説を中心に活動していきたいと思っています。お気軽に拍手orコメントいただけるとうれしいです。
平助ルートの龍之介BADにあまりに滾ってついにわあああああっと十五分くらいで書いてしまいましたorz
羅刹の発作のたびに龍之介を思い出す平助と、そんな平助を毎回よしよしする左之さんのはなし。
がっちりBLです。BLです。(大切なことなので二回言いました)
傾向としては、左→平→龍みたいな一方通行。
死んじゃった龍之介が忘れられない平助、平助にどんどん甘くなっていく左之さん。そんなかんじ。
年齢制限はありませんが、まあ言わずもがな男同士のラブです。
ちなみにコレの左之さん視点「黒い夜」も現在もりもり書いてます。いつになるか分かりませんが・・・。
大丈夫さという方のみ↓どうぞー。
「白い月」
「っう、っ!」
押し寄せる波みたいな何かに、俺は思わず声を上げた。押さえつけようとした衝動は、けれど俺なんかにはどうすることもできなくて、次第に俺の髪が白く塗り替えられていく。
「あぁ、っ!!」
苦しさにどうしようもなくなって、俺は情けなく声を漏らした。どこが痛いとかじゃないのに、体の中で何かが膨らんでいくみたいなとてつもない違和感は俺を狂ったように苦しめる。
苦しさにどうしようもなくなって、俺は情けなく声を漏らした。どこが痛いとかじゃないのに、体の中で何かが膨らんでいくみたいなとてつもない違和感は俺を狂ったように苦しめる。
こんな、羅刹の発作で悶える夜には、いつもあいつを思い出す。丁度こんな夜に、こんなふうに白い髪を、障子から覗く月明かりにさらしながら狂った、死んだ、あいつを。
「うぅぅぅ!ぅああっ!」
なあ、お前もこうやって苦しんだのか?それとも苦しいなんて感じることもできないうちに羅刹になっちまったのか?なんであの時ごめんなって言ったんだ?何で一人で乗り込んで言っちまったんだ?俺のこと、嫌いだったのか?好きだったのか?どんな意味で?俺とおんなじ気持ちを、お前は持っててくれたのか・・・?あいつが死んだ夜に吐き出したのとおんなじ言葉が、胸から競りあがる。
けれどその言葉を上げるには苦しすぎて、思いだけが先走った。
けれどその言葉を上げるには苦しすぎて、思いだけが先走った。
「龍之介…っ、りゅう、の、すけぇぇぇ!!」
どうしようもなくなって俺はあいつの名前を叫ぶ。あの夜そうしたように、叫ぶ。
あの夜みたいに、もう何も返ってこないって、知ってるのに。
「平助、」
聞こえたのは勿論龍之介の声じゃない。ただ、どこまでも低くて優しい声と共に感じた暖かさを俺は知っている。
「さの、さん…っ!」
俺を後ろから、包み込むみたいに抱きすくめてくれた左之さんの腕は暖かくて、俺はそのまま体を捩って振り返り、背中に手を回した。子供みたいに抱きつく俺を、左之さんはまた優しくなでてくれる。
「左之さん、さの、さ…っ、うぁ…っ!」
「平助、こっち向けよ。」
俺を安心させる、低く押し殺した声。その声に顔を上げると、左之さんが自分の唇を強く噛むのが見えた。俺に血をくれるつもりだ。
「左之さん、ダメだって…!」
「左之さん、ダメだって…!」
直感で気づいた俺は情けなく声をあげて拒んだけど、もう遅かった。左之さんの唇から嫌に艶っぽく浮き出る血に、俺は理性を飛ばしそうになる。そのまま左之さんは強引に俺の顎をつまんで引き寄せた。
「…っ、!」
「…っ、!」
鼻腔をくすぐる微かな血の匂いにもう俺は耐えきれなくなった。左之さんの唇に舌をだらしなく這わせ、血をすする。
どうしようもないくらいの快感だった。俺が普段敵の傷口からぶちまけているあの赤い液体なんかとはまったく違う、もっとやさしくて激しい液体。もう俺は、これを飲まないと死んでしまう。そんな気さえした。
しばらく接吻みたいな格好で左之さんの血を舐め続けて、ようやく俺の姿は人間のそれに戻った。
「…ごめ、ん…左之さ…」
「なんだよ、そんなシケた顔しやがって。気にすんな。」
左之さんは苦笑いして、俺の頭をわしわしと撫でる。こういう時の左之さんは、なんかいつもとは違う。どこがとか具体的には分からないけど、それでも親八っつぁんなんかと飲んでるときとは別人だった。左之さんは大人で、俺はガキなんだって思い知らされる。
「・・・龍之介、か。懐かしい名前だな。」
「え…?」
左之さんが、障子の隙間から覗く月を見ながら、ふっとつぶやく。俺は、さっきあいつを思い出してわーわー叫んでた事を思い出して、恥ずかしくなった。
「あいつが死んだのも、こんな夜だったな。月が綺麗で、悔しいくらいいい夜だった。」
左之さんは、本当に聞き上手だと思う。話してみろとか聞かせてくれとか、そういうことは絶対言わない。ただ俺が吐き出すのを黙って待ってくれている。俺はいつも、こんなんじゃだめだって思いながら、けどいつだって左之さんに全部吐き出してしまう。俺はホントに弱い。ガキだ。
「・・・・俺さ、発作が起きるといつも、あいつのこと思い出すんだ。あいつも、こんなふうに苦しかったのかなって。」
左之さんは何も言わない。黙って、けど真剣に聞いてくれている。そんな左之さんに俺はまた甘える。
「あいつさ、最後に言ったんだ。自分は本当の意味で生きてなかったんじゃないかって。俺も今おんなじこと思う。」
「あいつさ、最後に言ったんだ。自分は本当の意味で生きてなかったんじゃないかって。俺も今おんなじこと思う。」
俺は泣きそうになって、震える声をどうにか押しとどめながら、言葉だけ漏らす。そうしなきゃ今にも泣いちまいそうだった。でもきっと左之さんは俺が泣いても見ない振りしてくれるから泣いてもいいかもしれない。思いながら、やっぱり俺は泣けなくて、左之さんの胸に顔をうずめた。
「俺、今生きてんのかな」
ぼろっとこぼした本音は、思った以上にかすれた声となって出てきた。かっこ悪くて、俺はそのままうつむく。
ぼろっとこぼした本音は、思った以上にかすれた声となって出てきた。かっこ悪くて、俺はそのままうつむく。
「あいつに聞かれたとき、お前は何て答えたんだ?」
「…もう、おぼえてない。」
俺は左之さんの腕に顔をうずめて、ぽつりと呟いた。もう覚えてない。あの時あいつが言った言葉は全部覚えてるけど、俺の台詞は何一つ覚えていなかった。
「お前はここにいる。羅刹だろうが亡霊だろうが、お前はここにいるじゃねぇか。それじゃあ満足できねぇか?」
俺は、もう何も答えられなかった。
ただ黙って左之さんに抱きついていると、左之さんもそれ以上はなにも聞かずに、ただ赤ん坊をあやすみたいに拍子をつけて俺の背中を撫でてくれた。
それから、俺が白い月に照らされながら眠りにつくまで、本当に短い時間だった。
龍之介は死ぬことで平助の中にずっと残り続けたけど、それはある意味彼にとって悲しいことだったよね。
平助はきっと龍之介への思いに、あの十六夜挿話のあたりで初めて気づいたと思う。
むかしの彼氏をわすれられないわっていうダメな平助のはなし。
龍之介は死ぬことで平助の中にずっと残り続けたけど、それはある意味彼にとって悲しいことだったよね。
平助はきっと龍之介への思いに、あの十六夜挿話のあたりで初めて気づいたと思う。
むかしの彼氏をわすれられないわっていうダメな平助のはなし。
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薄桜鬼、BASARAを主食として時に雑食。
ついった https://twitter.com/#!/kawazu84
ピクシブ http://www.pixiv.net/member.php?id=1406302
ついったには鍵がかかってますが、リアルの知り合いにばれないためなので報告していただければこちらからもリフォローするとおもいます。
読み方はよく間違われますが「かえる」ではなく「かわず」です。
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