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薄桜鬼の小説を中心に活動していきたいと思っています。お気軽に拍手orコメントいただけるとうれしいです。
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以前から書きたい書きたいといっていた、風間×千姫の小説かきますたー。

好き嫌いあるカプな上にちょっと微エロ入ってるのでお気をつけください。

OKな方は↓よりどうぞー







苦しいか?そう問うても、奴が苦しいと泣いたことは無かった。
血が欲しいか?そう問うても、奴が欲しいと縋ったことは無かった。
愛してるか?そう問うても、奴が愛してるとせがむことは無かった。
いつでも奴はそうやって一人、俺を睨めつけていた。
 
息を吐くという行為と吸う行為を同時にしたかのような、そんな体に悪そうな声を漏らして、一瞬でその毛色を変化させる。そんなそいつを、俺は何度となく目にした。つい今し方もそうだった。俺の布団にぴったりくっついたもう一つの布団の上で同じく眠りに就いていたそいつは、明け方に突然に背をびくりと丸め、布団に爪を立てて苦しみだした。
いつものことだ。いつものことだが、最近すっかり落ち着いていただけに苦痛は一際だった。俺は布団からでてそいつを抱き起こし、そのまま背をなでる。これも恒例だった。発作の時のこいつは黙って抱きついてくる。というより、苦しみをやり過ごすためになにかを握って力んでいたいのだろう。俺の背に爪を立ててがりがりと引っ掻く。別に痛いわけではないから黙ってそうされていると、また夜を裂くようにそいつは叫んだ。
「血が欲しいか?」
俺は唆すようにそいつへ声を掛ける。そいつの肩が目に見えてひくりと震えた。
「貴様にならば俺の血を分けてやらんこともない。お前が欲しいと言うなら今すぐにでも、」
「いらないっ!」
先程から上げている叫びと大して変わらないような、余裕のない声でそいつが叫ぶ。
「誰が…ッ、あんたの血なんか、啜るもんですか…!!」
言いながらもそいつはまた発作の苦しみに喉を仰け反らせた。俺はそれからは何も言わなかった。ただ黙って、俺の胸で悶え苦しむ千を抱き、背をさすっていた。やがて千は断末魔のような悩ましい叫びを上げて失神した。くせの強い、しかし細い髪がじっとりと汗ばんだ額に張り付いている。頭を撫でると小さく震えた。
見ている分にはどこまでも人畜無害な女なので、このままでいればただの美しい妻である。
ただただ髪をなで続けていると、数刻程してそいつは青白い瞼をぼんやりと開いた。外はもう明るくなってきていた。
「気がついたか。」
「見て、わからない…?」
目覚めた瞬間これだ。可愛げも何もあったものじゃない。しかしこれもやはりいつものことなのである。
「わからんな。そんな腫れぼったい寝ぼけ顔では、目が覚めたかどうか確認できん。」
言うと、千は苛ついたように舌打ちをして目を逸らす。静御前の末裔で由緒正しい女鬼とは思えない仕草だ。
最初の頃は謝ったり、寝不足ではないのかと俺を労ったりしていたが、今はそういった気の利いた事も言わない。
と、思っていた矢先だった。
「どのくらい?」
「何がだ。」
「だから、私が気を失ってからどの位たった?」
「わからんな。数刻としか言えん。」
千はその答えにため息をついて、ようやく血色の戻りつつある唇をぼそぼそと動かした。
「なんであの時のまま全然動いてないのよ…。私の事なんか無視して寝なさいよ。」
そんな、最近聞かなくなったような言葉を吐いてきた。こいつなりの気遣いなのだろう。そういえばこいつが捻くれているのは俺の前だけではないか?
「珍しいな」
「何が」
「お前がそんな事を言うのは珍しい。」
「あのね、私のこと何か勘違いしてない?私はべつに天の邪鬼でもなんでもないのよ。」
毒づきながら俺を睨みつけるその目には凛とした美しさがある。
恥ずかしがるとか、照れるとか、そういった要素が全く感じられない千の仕草に、俺はいつも内心では感心しているのだ。
だから俺はそのまま千を布団へと押し倒した。
「ちょ…っ、何よ?!」
「これだけ待ってやったのだ。寝込みを襲われなかっただけ有り難いと思え。」
その言葉で大方察したのか、千は苛立ったように顔をしかめる。
「最悪。人が苦しんでるのを見ておっ勃てるなんて。…お断りするわ。もう外が明るい。もうすぐ清さんが起こしにくるじゃない。」
清というのはこの家で働く女である。使用人は何人かいるが、その中で清は朝俺と千を起こしに来るという役割を担っている。
しかしながら清は俺が幼い頃からこの家で働く古株の使用人で、尚且つ微かに鬼の血が混じっている。したがって、こいつの危惧する出来事は起こり得ない。
「この家に場の空気の読めぬ使用人はいない。安心しろ、お前の喘ぎを聞いて清も居なくなる。」
「じゃあ絶対声なんて出してやらない。あんた一人ではぁはぁしてなさいよ。そうしたらきっと清さんはそれ聞いて、ああ旦那様は奥様の寝顔で扱かなきゃいけないなんてそんなに飢えてるのね可哀想に~ってドン引きするわ。」
「あぁ飢えている。だから今日は手加減できんぞ。お前が息を殺せぬほどに激しくしてやる。」
袂から覗く細い白木のような太腿を愛撫すると、千はもう抵抗しなかった。ただ観念したように力を抜いて、目をゆるりと閉じ、毒づく。これも、いつもどおりだ。
 
「本ッ当、最悪。」



千姫終了のお知らせorz
こういう、ちー様にだけ手厳しい奥さんな千ちゃんが好きです。
まさに鬼の女。強くてかっこいい。千鶴にはないエロさがありますな。

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趣味:
PC、イラスト、読書、ゲーム、小説執筆など
自己紹介:
薄桜鬼、BASARAを主食として時に雑食。
ついった https://twitter.com/#!/kawazu84
ピクシブ http://www.pixiv.net/member.php?id=1406302
ついったには鍵がかかってますが、リアルの知り合いにばれないためなので報告していただければこちらからもリフォローするとおもいます。
読み方はよく間違われますが「かえる」ではなく「かわず」です。
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