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ものすごく久々に、佐幸小説。
というか、佐幸なのに幸村でてませんorz
アニメの小山田の兄さんが死んだときうわあああってなって書いてそのままにしてたのを昨日思い出して、いろいろ加筆修正加えてみたので載せます。

小山田の兄さんに嫉妬する子供くさい佐助の独白しかない小説。言わずもがなBLですので苦手な方はご注意ください。

大丈夫な方は↓からドゾーw^^w








「憎い。」

一人でぽつりとこぼした声は、思った以上に冷たくかすれきっていて、自分のことながら驚いた。

「小山田の兄さん、あんたが憎いよ。」

その石の塊になったかつての武田家家臣を、俺は冷たく見下す。
返事がないことを言い訳に、なおも俺は続けた。

「あんたなんて、生まれてこなきゃよかったのに。」

そう、こいつに向けている感情は、いつだって子供じみていた。それはただの嫉妬で、それは人にとって一番醜いもので、忍には決してあってはいけない感情。

わかっているのに、俺の中に渦巻くどす黒いものは、ふつふつと、どろどろとこみ上げてくる。

 

旦那が一番信頼してるのは、俺だと思っていた。

旦那がまだ若とか弁丸様とか呼ばれてた頃から俺は旦那の隣にいつもいて、お館様みたいにとはいかなくても、あの人とはちがう大切なことを教えてやってたつもりだった。

旦那の横を走れるのは俺だけだって、思っていた。

だからいつだってあの人の横を共に駆け抜けた。自分の足で。

 

でも、そんな自負は簡単に打ち砕かれて。

「あんたが出てきたからだよ。」

 

――――小山田と申します。

 

あのときからすべてが始まった。

すこしずつ旦那はあいつに懐いていった。最初は何も感じなかった。旦那が人に懐くのは珍しいことじゃない。誰にでも優しくていつでも純粋な旦那は、本当に誰のことも疑わない。いつも「気をつけなさいよ」と俺が注意するくらいだ。そして何より、それまで俺には自身があった。旦那が一番信頼する部下は俺で、なにがあっても旦那は俺を頼ってくれる。愛してくれる。そんな子供みたいな自惚れ。

でも、すこしずつその自信は砕かれていった。

俺がいなくても旦那は寂しそうな顔を見せなくなった。一人で自立したわけじゃない。あいつが隣にいるから、俺ははじかれたんだ。

俺が自分の足で駆け抜けた旦那の隣。俺だけの場所。そこをあいつは、馬で共に走った。

己の足では旦那の横も走ることができない人間をそばに置く、それがたまらなく悔しかった。

 

「あんたが、奪ったんだ。」

ずっと昔から見守ってきた俺じゃなく優秀な家臣を選んだ旦那を、それでも俺は憎んだことなんてない。

でも、こいつはいつでも憎かった。

表面上は俺も信頼してたし、それをあいつも信じきっていた。俺が「兄さん」と呼べば、あいつは喜んだ。

嘘をつくのが得意な忍で良かったと思いながら、俺はあいつに常に殺意を向けていた。

死ねばいいと思っていた。あの時だってそうだ。

 

あの時、確かに俺は「死ねばいい」と思った。

旦那が突撃を命令したとき、もしこの忠臣が生き延びることなく死んだら、と。

今ここでこの人が死ねば、旦那は悲しむだろう。でも、その悲しみ乗り越えるため、旦那は俺を求めるだろう。そうしたら、俺は何も言わずに黙って旦那を抱きしめてやればいい。背中をさすって、「大丈夫だよ」と慰めてやればいい。

そうすれば、また前と同じだ。俺は旦那の信頼する一番の部下でいられる。こいつさえ死ねば、旦那の一番信頼できる部下は俺だ。そう、思った。

そしてそんな妄想は、驚くほどあっけなく現実に姿を変えた。あいつは突撃の最中に撃たれて死んだ。

でも、旦那は俺に癒しも慰めも求めなかった。

ただ、一人で謝りつづけて、俺には目もくれずあいつの亡骸だけ見ていた。

 

あの時旦那をしかりつけたのは、ただの八つ当たり。

誰より優しくて、誰よりかわいくて、だれより愛しい俺様の旦那。あんたさえこっちを見てくれたら、俺はあんたの望むことをしてやったのに。あんたさえ俺を求めてくれれば、何もいらなかったのに。叱りもしなかったのに。俺も、優しい忍でいられたのに。またあんたのせいで、憎まれ役になった。

 

「兄さん。あんたさえ、生まれてこなければ。」

 

言っても仕方ないことなのは、十分わかっている。

旦那は結果としてこの人の死と俺の叱咤で強さを得て、ひとり南に旅立っていった。俺がこの世で一番憎んだ兄さんは俺なんかよりよっぽど旦那を変えて、石の塊の下で白い棒切れになっている。

 

だけど。ねえ、旦那。

 

もしあの時死んだのが俺だったら、この人が死んだとき以上に悲しんだのかい?

立ち直ることもできずに一緒に死んでくれたのかい?

 

 

 

もしあの時俺が、小山田の兄さんを見殺しにしてたとしても?



かっこいい中二、猿飛佐助。
佐助はジェラシーの塊だと思う。
ちなみにリアルタイムでアニメ見ながら「小山田なんなの!?モブの癖に!モブの癖に旦那と一緒に走るなんて!佐助を差し置いてキィーー!!」ってなってたのに、あまりに兄さんがかっこいい死に様で「なんなのモブの癖に!かっこいいじゃないの!ちょっとホレてまうやないのおおおお!!」って叫んでたのはいい思い出。アニメでの佐助のお説教が尋常じゃなくて、「これは佐助が小山田の兄さんが死んだことを悔しく思っているから・・・ではないよな、旦那が佐助だけのものになったわけだしなにより佐助はモブ一人死んだところであんまり感化されそうにないし」って考えた挙句「そうだあれは八つ当たりだったんだ!!」ってなった結果がこれだよ!
佐助がお説教してるのに全部幸村にはあんまり届いていない感じがしてこっちまでアアアアアってなった。旦那と佐助は本当の意味で理解しあえない。でもそのことには本人たちは気づかない。
ヤンデレ佐助がおいしすぎて仕方ありません。
あと、旦那が佐助のことを「あれ」って呼ぶシュチュエーションって萌えるよねって言うことを妄想してて一時間くらい時間が経ってたことがあります。
時が経つのが最近早すぎますな。

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薄桜鬼、BASARAを主食として時に雑食。
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ついったには鍵がかかってますが、リアルの知り合いにばれないためなので報告していただければこちらからもリフォローするとおもいます。
読み方はよく間違われますが「かえる」ではなく「かわず」です。
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